
先日、開発部メンバーで「AIハッカソン」と称し、2日間の合宿を開催しました。
今回は宿泊せず、会社の会議室にこもり、AI技術を徹底的に活用することに挑戦しました。
このブログでは、その様子や学びを共有します!
開催のきっかけ
個々でGitHub CopilotやClaudeを利用する一方、業務の中でもっとAIを活かせないかという議論が持ち上がっていました。
そんな中、他社のAI活用事例から「強制的な変革が必要だ!」という危機感と、「ガッツリ時間を確保して、AIだけでどこまでできるか試してみよう」という意欲が湧き上がり、今回のハッカソン開催に至りました。
目的
ハッカソンを始めるにあたり、以下の2つの大きな目的を設定しました。
AIを活用した新しい開発フローの発見
- ClaudeなどのAIを活用し、「コードに触らず、見ずに」どこまで開発ができるか試す
- AIを使って、運用業務を自動化する可能性を探る
エンジニアの役割と付加価値の再定義
- AIはどこまでを自動化でき、人の手はどこまで必要なのかを検証する
- 「コーディングの楽しみがなくなるのでは?」という懸念に向き合い、エンジニアの新しい価値を発見する
スケジュール
以下のスケジュールで実施しました。
1日目
10:00 - 10:30   お題発表
10:30 - 12:00   作業
12:00 - 13:00   お昼休憩
13:00 - 18:00   作業
18:00 - 18:30   中間発表
2日目
9:00 - 12:00  作業
12:00 - 13:00 お昼休憩
13:00 - 17:30 作業
17:30 - 18:30 成果発表
18:30 - 19:00 片付け
19:00 -               歓迎会
2日目の夜は、新入社員もいたため、打ち上げ込みで歓迎会を開催しました!

やったこと
ハッカソンでは、事前に用意したお題の中から、メンバーが興味のあるものを選んで取り組みました。
結果、以下の2チームに分かれて開発を進めることになりました。
今回は主にClaude Codeを利用し、問い合わせ自動化のタスクではAWS Bedrockも活用しています。
チーム1:運用自動化
日々の運用業務で課題に感じていることを、AIを使って解決します。
具体的には、「ふるさとチョイスの検索トップバナー自動更新」や「定型業務自動化」「問い合わせ自動化(FAQ)」などに取り組みました。
チーム2:既存機能の改修(Laravel化)
既存のfuelphpで書かれた「ふるさとチョイス」の機能を、AIを使ってLaravelに置き換えることに挑戦しました。
ハッカソンでわかったこと
今回のハッカソンを通じて、AIを活用する上での具体的な課題や可能性が見えてきました。
他社の事例ブログで語られている内容も、実際に体験してみると「なるほど、こういうことか」と深く理解できました。
AIへの指示(プロンプト)の重要性
- 明確な指示を与えれば、AIは正確に作業をこなしてくれそうですし、これにより、1人で複数のタスクを並行して進めることも可能になります。
- 一方で、曖昧な指示は意図しない結果を招き、無駄なトークン消費につながります。
- 雑な指示は雑な結果に直結するため、SuperClaudeのようなフレームワークや、プロンプトを事前にまとめたドキュメントの整備が不可欠だと感じました。
- また、AIが暴走するリスクもあるため、権限や制約を設ける必要があります。
新規開発と既存コード改修の違い
- 新規システム開発では、AIを活用することで開発スピードが格段に向上します。
- ただし、現時点では品質チェックを人の手で行う必要があります。
- 既存コード改修は、コードが複雑であればあるほど、AIが依存関係を理解するのが難しくなり、期待通りの成果を得るのが困難でした。
- 今後はSerenaのようなツールも使って、事前に既存コードを解析することで改善できるか検討していく必要があります。
フロントエンド開発の課題
- Laravel化を進める中で、AIが生成したフロントエンドのデザインが崩れることが多く、人の手による修正が必要だと感じました。
- それでも、2日間という短期間で「ふるさとチョイス」を動く状態までLaravelに置き換えられたのは、AIの力のおかげはあると思います。
- この経験から、バックエンド開発では、AIがより効率的に活用できる可能性を感じました。
トークン消費量の課題
- Claude Codeはトークン消費に上限があるため、これを意識しながら作業を進める必要があります。
- 5時間ごとに消費量がリセットされる仕様でしたが、2025年8月28日からは週ごとの上限設定にルール変更が予定されており、トークン使用量を削減するなど最適化が求められそうです。
今後の取り組み
ハッカソンを通じて、AIは実装の加速や運用業務の効率化に貢献できることがわかりました。
一方で、課題も明確になりました。
今後はそれらを踏まえて、以下の点に取り組んでいきたいと考えています。
AI活用における費用対効果の整理
Claude CodeなどのAIツールには費用がかかります。
どの開発プロセスにAIを導入すれば最も費用対効果が高くなるかを整理し、費用に見合う成果を出すための運用を検討します。
導入に向けた運用の仕組み作り
AIツールを導入するだけでは効果は得られません。
適切な指示ドキュメントの整備や、AIが暴走しないためのガードレール設定など、運用に乗せるまでの試行錯誤と土台作りが重要です。
AIの導入によって、保守性の低い無秩序なコードが量産されるリスクもあります。
このリスクをどう防ぐか、運用のバランスを模索していきます。
まとめ
今回のハッカソンは、AIを理解し、未来のエンジニアの働き方を考える貴重な機会となりました。
今後もこのような取り組みを継続し、技術力向上に努めていきたいと思います!
さいごに
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