トラストバンクのSREとしてこの1年やってきたこと

この記事は、トラストバンク Advent Calendar 2022の23日目です。

こんにちは!CTO室でSREやっている@Tocyukiです!

夜はまさに大クリスマス時代、という感じで気づいたら年の瀬で明日はクリスマスイヴで明後日はクリスマスでグランドライン目指してWe are !!という感じですね!

というわけでアドベントカレンダー書いていきたいと思います!

ふるさとチョイスのではなくトラストバンクのSREとして

昨年のアドベントカレンダーではこんな記事を書かせていただきました。

qiita.com

ありがたいことにたくさんの人に読んで頂けて、一時はIT関連のはてブランキングにも登場するなど「我、ふるさとチョイスのSRE也」ということを世に知らしめることができたとかできないとかそんな記事になったとかならないとかしました(してない

そんな(?)様々な改善活動が評価されたのかどうかは知る由もありませんが、今年の4月に組織編成が行われ、元々ふるさとチョイス事業本部開発部付のSREチームだったのが全社組織であるCTO室が爆誕し、それに伴いCTO室付のSREチームとして事業部を横断する形に活動の場を広げることになりました。

さらに個人としてもフルリモート環境下におけるコーポレート全体のコミュニケーション改善をミッションとしたインターナルコミュニケーションチームも兼務することになり、Gatherの導入やNotionの全社導入などSRE領域とはまた違ったチャレンジもしてきました。

今回アドベントカレンダーを書くにあたりこの一年を振り返ってみたのですが、活動の幅が広がったことも有り、個人としてもチームとしても思った以上に色々とやってきてて完全に記憶から消去されているなぁと思ったのでこの1年でどんなことをやってきたのかという部分を記憶とチケットを掘り起こしながら以下のテーマを中心に振り返っていきたいと思います!

  • 採用活動
  • 改善活動
  • 新規サービスリリース

採用活動

自分がトラストバンク一人目のSREとして入社してから2年が経過しました。現在SREチームは3名いて来月から4名体制になる予定で去年に比べるとかなり順調な感じなのですが、改めて振り返ると以下のような感じでした。

名前 入社時期 採用要因
1人目SREニキ Tocyuki 2020/12 1人目のSREとして裁量もってできる場所を求めてたどり着いた。
2人目SREニキ budatora 2021/07 プロダクトとフェーズに共感してくれた。正直採用できたのは幸運以外のなにものでもない。
3人目SREニキ iwatea 2022/06 リファラルでマイメンとして来てくれた。正直採用できたのは幸運以外のなにものでもない。
4人目SREニキ Mr.Y 2023/01 唯一採用戦略がハマり採用できた。(はず)シャスシャス!!

上記の通り、今年の中頃まで採用活動に関してはかなり苦戦していて振り返ってみると採用活動の成果と言えるのは4人目のみでした。

今年の6月までは2名体制でひーこら言いながら通常の業務と平行して採用活動を頑張っていたのですが、募集要項やスカウト文面の見直しに終始してしまい中々思うような成果に結びつかず、スカウトを打っても返信が返ってくることは稀でカジュアル面談に辿り着くことさえ困難な状況が続いていました。

これは流石にやばいなぁと思い、今年度の個人目標としてもSRE採用にコミットすることにして以下のことにチャレンジをしました。

  • 伝家の宝刀リファラ
  • テックブログ開設
  • コミュニティ活動
  • 登壇

伝家の宝刀リファラ

前述の通り、2人目のSREである@butadoraが入社してくれて以降、採用活動は非常に厳しい状況だったにも関わらず、SRE全社化による他事業部の改善や他サービスのAWS移行などもやることになり、新規サービスリリースも計画されていき、SREの採用が急務となる中、前職の同僚であり、マイメンでもあり、転職後もちょこちょこ連絡を取り合っていた@iwateaリファラルで入社してくれるということになりました。

今回のアドベントカレンダーで入社エントリを書いてくれたのでこちらも是非見てみてください。 tech.trustbank.co.jp

上記入社エントリにも書いてありますが、前職で出会いとても仲良くなって話はよくしていたのですが結局直接一緒に仕事をする機会は訪れることなく自分が先に転職してしまったのでどこかで仕事も一緒にできれば良いなとずっと思っていました。

また@iwateaPHPでのバックエンド開発をメインにやってきていることやTerraformやAnsible、AWSも問題なく扱えるので弊社技術スタックとの親和性も非常に高く、SREとして普通に採用するのは無理ゲーなレベルの人材だったので、様々なタイミングや条件も合う形でリファラルが実現が出来たのは最高にラッキー、もはやディスティニーだったなと思います。

持つべきものは友ですね。

テックブログ開設

採用活動ではテックブログの有無も影響を及ぼしてきますよね。

弊社には元々テックブログはなかったのですが、そんな中、昨年末に弊社初となるアドベントカレンダーが実施されました。

qiita.com

そしてアドベントカレンダーを行ったことでアウトプットの機運も高まったので、すかさずテックブログの開設を行いました。

tech.trustbank.co.jp

アウトプット文化を醸成するためには恒常的にアウトプットできる場所が必要ということと採用面へのポジティブな効果を期待して開設したのですが、テックブログ開設後はカジュアル面談に来てくれる方や面接に来てくれる候補者の方々が高い確率でテックブログを見てくれていてトラストバンクのエンジニア組織にはどういう人がいてどんなことがアウトプットされているのかという情報を提供する役割を担ってもらえるものになってきているのかなと思います。

当初は自発的に書いてくれる人は少なかったのですが、ここ数ヶ月は自ら書いてくれるという人も出始めてとても良い流れになってきているなと感じているのでアウトプット文化の醸成とともに、候補者の方への情報提供をより高い解像度で行うことができるものになっていければなと思っております。

今回のアドベントカレンダーでもテックブログに書いてくれる人が増えてきており、それもまた良き流れかなと思うので、今後はきちんとした運用体制を敷いてより活発に様々なアウトプットができる組織になっていければ良いなと考えております。

コミュニティ活動

採用活動を行う上である一定の認知や露出はやはり大事だし、個人のキャリアとしても社外のエンジニアとの繋がりは大事だよねということで、今まであまりしてこなかったコミュニティ活動にもチャレンジしようと決心しました。

するとグッドタイミングで昨年の12月にNRUG SRE支部が立ち上がり、そこの運営メンバーとして参加してイベントの運営および登壇を行ってきました。

NRUG SRE支部運営に参加した経緯や初回イベントの感想や関連リンクがあるので興味のある方は以下の記事を見てみてください。 tech.trustbank.co.jp

この初回のイベントは運営3名ががっつり登壇するという内容だったのですが、イベント終了後から今まで無風状態に近かったスカウトに返信が来るようになったり、カジュアル面談を実施できることも増え、さらにはイベントを見てくれた方が興味を持って話しを聞きに来てくれたりして「これが、登壇の、効果か・・・!」と感動したことをつい昨日の事のように覚えています。

個人としてもこのコミュニティ活動を通じて様々な方とつながることもできてエンジニアの友人が少ない手前にとって、勇気を出して運営メンバーに立候補してユーザーグループの運営に携わることができたことは本当に良い決断、経験だったなと思っています。

「感謝するぜ、お前と出会えたこれまでの全てに」というビヨンド・ネテロの気持ちが今ならとてもわかります。 ハンターハンターを再開してくれた富樫大先生には感謝しかありません。

登壇

コミュニティ活動だけではなく、個人のキャリアへの影響はもちろん、トラストバンクのエンジニア組織のプレゼンス向上および採用活動に繋げるべく今年はイベントやカンファレンスへの登壇にもチャレンジしてみました!

コミュニティ活動も本当にやってみて良かったなと思いましたが、このイベントやカンファレンスへの登壇も資料の準備などはとても大変でしたが本当にやってみて良かったなと思いました。

来年以降も外部へ発表できるように様々な改善活動を進めていき、色々な場所で発表をしていければなと思います!

JAWSDAYS2022への登壇

まずJAWSDAYS2022への登壇にチャレンジしました。

jawsdays2022.jaws-ug.jp

JAWSDAYSはJAWS-UG最大のイベントで毎年イベントへの参加はしていましたが、いつか登壇してみたいなぁと思っていたイベントの一つでもありました。

jaws-ug.jp

今回のJAWSDAYS登壇による採用的な狙いとしては「SRE採用におけるペルソナへの情報提供」でした。

弊社は現在ふるさとチョイスをはじめとしたサービスインフラのAWS移行を進めています。 移行後もEC2ベースのVM基盤となっていますが、TerraformやAnsible、Packerを活用してフルIaCでこの移行プロジェクトを進めているということもありSRE採用のペルソナとして「EC2環境の改善が進まなかったり、IaCの導入がうまくいかなかったりしてもやもやしている」みたいな部分も要素として盛り込んでいました。

そのため現職での改善活動やIaC導入などのチャレンジが組織的な課題等でうまく進められないことに対して自身のキャリアに課題を感じて転職を検討している人に対して、トラストバンクでは現在このようなフェーズで、移行に関してはこのように進めているというのを届けて弊社へ興味を持ってもらえるようにするために具体的な事例として発表させてもらいました。

JAWSDAYSという特性上、AWSを利用しているそのようなペルソナのSREへ情報を届けるにはうってつけのイベントだったのでそういった内容で登壇にチャレンジしてみたのですが、その後のカジュアル面談等でこの発表の内容について話を聞きたいということも何度か有り、採用に関しての狙いとしては十分以上に達成できたのかなと思いました。

参加の経緯や発表内容などもレポートとして記事にまとめていますので是非見てみてください。

tech.trustbank.co.jp

Cloud Native Days Tokyo 2022

またJAWSDAYSから間を開けずにCloud Native Days Tokyo 2022への登壇にもチャレンジをしてみました。

event.cloudnativedays.jp

このカンファレンスも毎年参加はしていたものの、いつか登壇したいと思っていたカンファレンスです。

event.cloudnativedays.jp

これまでの外部発信での内容では主に既存環境の移行や改善活動に伴う内容が主で、新しいチャレンジや新サービス、システムのアーキテクチャについてあまり発信出来ていなかったのでCfP提出を行い、無事採択され発表することができました。

既存サービスのAWS移行に伴い、AWSの本格利用が進み、新しいサービス、システムは基本的にすべてAWSを利用し、コンテナ基盤としてはECSを利用しています。

新サービス、システムへのAWS利用は今年から本格的にスタートし、多くの新規サービス、システムの新規構築に加え、複数の既存サービスのAWS移行も進めながら普段の運用業務も行っていたので、中々大変だったなぁと振り返りながら思い出してきましたw

今年新規構築したサービスについては後半に軽く触れていきたいと思います。

そんなこんなで新規のサービス、システムなどはPHP8系にLaravel9を基本としてコンテナ基盤としてはECSを採用するなどCloudNativeな開発もされるようになってきたので、そういうこともやれるようになってきましたYO、ということを伝えるべく今回のCloud Native Days Tokyo 2022での発表にチャレンジしましたが、こちらもとてもポジティブな反応を頂けてチャレンジして良かったなと思います。

参加レポート書き忘れていたので発表資料を置いておきます。

speakerdeck.com

改善活動

今年も色々な改善活動をしてきました。

AWS移行

ふるさとチョイスだけではなく、SREチームの全社化に伴い、地域通貨事業であるchiicaのAWS移行も行うことになりました。

chiica.jp

ふるさとチョイスでのIaC資産を活用し、スピーディーに開発環境の移行を行うことができ、ローカル開発環境も整備し、ステージング環境も新設しました。

LPのCloudflarePages移行

弊社には数多くのLPが存在するのですが、静的サイトにも関わらず、サーバーを用意してホスティングするという運用がスタンダードだった部分を自分が入社してからはCloudflarePagesをスタンダードにするように推進してきました。

www.cloudflare.com

すでに独立したLPや新規のLPについてはCloudflarePagesの活用を進めていたのですが、ふるさとチョイスに組み込まれているLPがあり、開発が活発なプロダクトにイベントのLPが組み込まれていることで外部の制作会社を利用しづらかったり、リリースもふるさとチョイス本体同様の開発フローで進める必要があるためスピーディーに変更できなかったりと様々な問題があったサイトもついにCloudflarePagesへ移行することができました。

award.furusato-tax.jp

New Relicの本格導入

自分が入社した時点では一部のサーバーにAPMが導入されているぐらいでまったく活用は出来ていなかった状況だったのですが、監視運用の内製化、DevOpsの実装に伴い、New Relicをo11y基盤として活用すべく様々な取り組みを行いました。

詳細については明日公開予定のNew Relicアドベントカレンダー24日目の記事を御覧ください。

qiita.com

新規サービスリリース

以下、今年新規に構築を行い(or している)、リリースが公表されているサービスたちです。 実際にはもっと数多くのシステムを今年に入ってから構築、リリースしています。 ものによっては外部の開発リソースを利用したりしていますが、インフラやCI/CDの実装周り、全体のアーキテクチャ設計は基本的にSREが行っています。

OEM API

www.trustbank.co.jp

www.trustbank.co.jp

www.trustbank.co.jp

このOEM APIの実装まわりについてもアドベントカレンダーで記事が上がっているので是非見てみてください! tech.trustbank.co.jp

読むふるさとチョイス

yomu.furusato-tax.jp

www.trustbank.co.jp

こちらについては以前テックブログに記事を書きました。

tech.trustbank.co.jp

めいぶつチョイス

www.trustbank.co.jp

おわりに

まだまだ色々とやったことや振り返りたいことはあるのですが、まだNew Relicアドベントカレンダーの記事も書けていないので一旦ここまでにしたいと思いますw

改めて振り返ってみると今年は個人としても本当に飛躍できた年と なりました。 きっかけとしてはやはりコミュニティ活動や外部登壇などのアウトプットなのかなと思いますが、前提としてしっかりと日々エンジニアリングに向き合い、インプットを継続し、その上でアウトプットするというバランスとサイクルが大事なんだなと感じました。

コミュニティ活動や色々なイベントでの様々な事例を見ると自分のエンジニアとしての実力、経験はまだまだだなと痛感する日々ですが、まわりと比べすぎて自分を下げることはせず、しっかりインプット、アウトプットを継続して来年以降も個人としてもチームとしても様々なことにチャレンジし、エンジニアリングを楽しみ、事業に貢献をしていくことができる自分、チーム、開発組織にしていきたいなと思っていますのでよろしくお願いします!

そんなトラストバンクではSREをはじめとした様々な職種で絶賛採用中なので気になった方は是非お気軽にご連絡くださいー!

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